咬み合わせの不調が引き起こす、見えないダメージ
「虫歯はないのに歯が痛む」「しみる」「歯ぐきがよく腫れる」「顎がだるい」「朝起きると歯や顎が痛い」——そんな症状に心当たりはありませんか?
これらは、咬み合わせの不調による「咬合ストレス」が関係している可能性があります。
咬合ストレスとは、噛み合わせのズレや過剰な力が歯や歯ぐき、顎関節、筋肉にじわじわとダメージを与える状態のことです。

無意識の「噛みしめ」が、歯を蝕む
人は食事以外の場面でも、無意識に歯を噛みしめていることがあります。特に睡眠中は自覚がないため、知らず知らずのうちに負荷がかかり続けていることも。
噛みしめは、ストレスや緊張を和らげるための生理的な反応とも言われており、必ずしも悪いことではありません。ただし、長期間にわたって蓄積されると、歯やその周囲の組織に深刻な影響を及ぼすことがあります。
痛みの原因が「見えない」こともあります
歯科の症状は、単一の原因で起こることは少なく、複数の要因が絡み合って現れることがほとんどです。軽度の虫歯や歯周病でも強い痛みを感じることがあれば、重度でもほとんど症状が出ない場合もあります。
検査をしても明確な原因が見つからない場合、咬合ストレスが関与しているケースが多く見られます。長年の噛み合わせの負荷が、直接的・間接的にさまざまな不調を引き起こしているのです。
「歯性が良い」とは?
ご年配の方との会話で「歯性(はしょう)が良い・悪い」という言葉を耳にしたことはありませんか?
これは、歯の性質や丈夫さを表す言葉です。「歯磨きを丁寧にしているのにトラブルが多い人」「あまり手入れしていないのに問題が少ない人」——この違いは、歯の生まれつきの強さだけでなく、「咬み合わせの良さ」が関係していると考えられます。
歯並びが良くても、咬み合わせが良いとは限りません
「歯並びが良い=咬み合わせが良い」と思われがちですが、実はそうとは限りません。咬み合わせの良さとは、「顎の正しい位置で、歯が自然に噛み合っている状態」を指します。
顎の位置とは、顎先ではなく、耳の前方にある顎関節のこと。
この位置がズレていると、歯がうまく噛み合わず、咬合ストレスが生じやすくなります。

咬合ストレスは予防できます
咬み合わせの不調は、予防や改善が可能です。その方法の一つが「オクルーザル・スプリント(保険適用)」と呼ばれる取り外し式の装置です。
ナイトガードと混同されがちですが、目的が異なります。
ナイトガードは歯同士の接触を防ぐものですが、オクルーザル・スプリントは顎の位置を整え、理想的な咬み合わせを疑似体験できる装置です。
これを就寝時に使用することで、咬合ストレスを軽減し、歯や周囲の組織の回復を促します。
「よく噛める」とは、力を入れて噛むことではなく、力を抜いて楽に噛める感覚です。これは総義歯でも非常に重要なポイントです。

昼間の咬み合わせも調整可能です
装置が合わない方には、咬合調整によって症状の改善を図ることも可能です。生まれつき歯性が弱い方も、悲観する必要はありません。
定期的なメインテナンスで口腔内の細菌量をコントロールしながら、力によるダメージを抑えることで、大切な歯を守ることができます。
咬み合わせに不安がある方、原因不明の痛みでお悩みの方は、ぜひ一度ご相談ください。あなたの「噛む力」が、歯を守る力に変わるよう、私たちがサポートいたします。

