小児のうちから正しい歯磨き習慣をつけることはとても大切です。
主役はご家庭になりますが、確認・アドバイスをしてあげることで、自立に導いてあげることができます。
保護者の方には仕上げ磨きのポイントをお伝えしています。
また、小さな頃から歯科医院に慣れさせることも大切です。
メインテナンスに来るのが当たり前になると、その習慣は大人になっても持続されるでしょう。
フッ素(正しくはフッ化物)には歯の強化、むし歯の抑制、再石灰化(むし歯になりかかった部分の回復)といった効果があり、食べ物など自然環境にも広く含まれています。
当院では定期的な高濃度フッ化物塗布を積極的に行っています。
ただ、数か月に一度のフッ化物塗布だけでは、十分とはいえません。
家庭でのフッ化物配合歯磨剤の使用、及び、うがいがきちんとできる年齢になるとフッ化物洗口をすすめています。
日本では現状、水道水にフッ化物を配合すること(水道水フロリデーション)が認められていないため、フッ化物洗口は、最も効果の高い予防方法であり、適切な習慣があると、むし歯に罹る確率は半減するという報告もあります。
乳歯でも永久歯でも、奥歯の噛み合わせの溝は歯ブラシが届きにくく、歯垢(プラーク)がたまりやすいのでむし歯になりやすい箇所です。
特に、生えたての永久歯は未成熟で溝も深くむし歯になりやすいため注意が必要です。
フィッシャーシーラントはむし歯に罹りやすい噛み合わせの溝を、歯科材料で埋めることで溝を浅く、平担に整え歯垢が溜まりにくいようにする方法です。
材料として合成樹脂を使うレジン系シーラントとセメントを使うGIC(グラスアイオノマー)系シーラントに大別されます。(中間的材料もあります)
レジン系シーラントは操作が簡単、きれいで、光をあてるとすぐ固まるため、よく使用されています。ただ、歯とシーラントを接着させるために溝を酸処理する(もちろん極弱くですが…)こと、予防効果が物理的に遮断するだけで、薬効が殆どないことなどの理由で当院では基本的に行っていません。
純粋なGICは酸処理しなくても材料自体が歯と接着し、フッ素を放出し続けてくれます。
また、フッ化物配合歯磨剤、フッ化物洗口、フッ化物歯面塗布によるフッ素イオンを取り込んでくれます。
歯に対してフッ素イオンをチャージ&リリースし続けてくれますので、溝を浅くするだけでなく、材料自体が予防効果を発揮してくれます。
固まるのに時間がかかり、扱いが難しいため敬遠されることも多いですが、確かな予防効果が証明されている材料であるため、当院では積極的に使用しています。