歯型取りを終えると、石膏模型をつくり、詰め物や被せ物を作製します。
その後、歯科技工士という国家資格を経た職人により、作られていきます。
最近ではCAD/CAMというコンピューターを用いて設計から作製をする技法も取り入れられていますが、それでも最後は人の手に委ねられています。
歯科技工士に良い模型を渡すため、丁寧に歯の形を削り(形成といいます)慎重に歯型を採ります。
価格の決まった保険診療においては、湯水のように高価な材料を使用することはできませんが、小さな工夫を積み重ねることはできます。
保険診療と自費診療で製作作技工所を分けることなく、一括で管理してもらうことで、保険診療においても少しでも調整量の少ない精度の高い詰め物・被せ物を提供したいと考えています。
かみ合わせと聞くと、上下の歯がちょうど良く噛んでいたら問題ないとおもわれがちです。
元々の状態が良い場合はあまり難しくありませんが、長年の放置や場当たり的な治療を選択していった結果、かみ合わせが大きく歪んでくることがあります。
少数歯単位の歪みから、列全体での歪みまで多様です。
そのままでも問題なければ良いのですが、歯にはさまざまな力がかかるため、蓄積すると深刻なダメージが加わりかねませんし、痛みや腫れの原因がむし歯ではなく、かみ合わせであることも多々あります。
当院では、診察時に全体を俯瞰して得たかみ合わせの情報を歯科技工士と共有し、詰め物・被せ物作りに反映させていきます。
歯ぎしり・かみしめ・食いしばりの予防に力を入れております
歯ぎしり・噛みしめ・喰いしばりなどを総称してブラキシズム(Brx)といいます。
ブラキシズムは病気というより、生理現象の一種と考えられています。
歯や歯肉・かみ合わせなどの状態が良好な方では、問題とならないことも多いのですが、歯肉やかみ合わせの状態が絡むと、日中ではありえないほどの負荷がストレスとして歯にのしかかり、さまざまな症状を引き起こします。
むし歯ではないのに詰め物や被せ物がよくとれるなどは軽い症状ですが、歯周病の悪化や、神経を抜いている歯の歯根破折など、歯の喪失に関わる深刻なダメージを引き起こすこともあります。
また、むし歯がなくても歯がしみる知覚過敏や顎関節症という顎の不調の原因にもなります。
それ自体が病気ではないといっても、病気の引き金になり、病気を悪化させることも多いので、上記の歯牙や症状を抱えている方やブラキシズム(Brx)の自覚がある方はもちろん、自覚はなくてもお口の中にブラキシズム(Brx)の兆候や痕跡を認める方は注意が必要です。
一般的な対策として、ナイトガードと呼ばれるマウスピースを就寝時に入れていただくことで、歯や周囲にかかるダメージを緩和させることができます。
当院では、症状やお口の状態により、オーダーメイドのナイトガードを作製して対策にあたっています。
長持ちさせるためにも定期的な
メインテナンスを提案しております
どんなものでも長持ちさせるコツは毎日少しのお手入れ習慣を継続することですが、自分では気づかないところで問題が進行していくこともあります。
特に治療後の詰め物・被せ物の境目から再発むし歯(二次う蝕)は気付きにくく、症状が出てきたころにはかなり進行していることもあります。
専門家に定期的に診察・清掃してもらうことで治療した詰め物・被せ物を長持ちさせるだけではなく、いま問題のない箇所も積極的に予防していきましょう。