金属アレルギーを起こしにくい義歯をつくってほしい!
「金属アレルギーを起こしにくい義歯をつくってほしい…」
という依頼を、とある患者様からいただきました。
上顎に部分義歯をいれた後から、胸のあたりにムカつき・不快感があり、入れ歯を外すと楽になるということでした。
内科の主治医に診察を受けたところ、歯科金属アレルギーが疑われるので歯科医院に相談するよう言われたそうです。
義歯をみると、コバルトクロムという金属を留め具や連結部に使用した、典型的なデザインの部分義歯が入っていました。
コバルトクロムは、硬く丈夫でありながら、加工しやすく、義歯用金属として古くから使用されている実績のある材料です。硬すぎるため、被せ物には使用されませんが、現在でも保険義歯から高額な金属床義歯まで幅広く使用されています。
今回、患者様の主訴や経過、治療状況から、症状の原因をコバルトクロムによる歯科金属アレルギーと推測し、金属量の少ないノンクラスプデンチャーを作製することを提案し、同意を得ました。
ただし、ここで留意点がありました。
ノンクラスプデンチャーは基本的に留め具を使用しないのですが、金属を全く使用しないわけではありません。
レストと呼ばれる、部分義歯の沈み込みを抑える金属製の小さな突起部が必要になります。多くの場合、レストはコバルトクロムで作製します。そこで、今回はレストにアレルギーを最も起こしにくい金属である、純チタンを使用しました。
チタンレストで作製した義歯を患者様に装着したところ、身体の不快症状が消えたのは勿論、ピッタリ適合し、とても軽いと喜んで頂きました。僅かな金属量でも、チタンはコバルトクロムに比べ軽いので、その点でも良かったかと思います。
チタンを義歯に応用することは、アレルギーの起こしにくさ、軽さなどメリットが多いのですが、加工の難しさもあり、残念ながら現状、保険適用にはなっていません。
当院では、チタンを使用した、軽くて身体に負担の少ない義歯のデザインも提案できますので、気になる方はお気軽にお申しつけください。
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